本作は多分近未来が舞台、設定としては突然現れた「近界民」ネイバーとの戦闘ものです。 世界設定は突如現れた、なぞの生物?兵器に町が襲われ、その生物兵器を倒すために、あらかじめ 準備されていた組織、ボーダーが市民を守っていくという設定です。 物語は、このボーダーに入ったばかりの主人公、三雲 修が謎のブラックトリガーを持つ少年と 出会う事で始まります。
この主人公が出会った少年空閑 遊真はとっても強いキャラです。ボーダーがネイバーとの戦闘で 使用する武器はトリガーという武器を使用しますが、この中でも特に強い能力をもつ武器が ブラックトリガーと呼ばれています。このブラックトリガーは造った人間の生命その物が込められており、 造った人間は死んでしまうという物で、他のトリガーとは一線を画す絶大な能力を持っています。 このブラックトリガーを自由自在に使いこなし、戦闘スタイルも天才系といった感じのキャラが、 この空閑 遊真です。
この空閑 遊真とは対照的に、激烈に弱いのが、主人公と思われる、三雲 修です。 物語当初はボーダーの中でもC級隊員であり、まだ戦闘には出れない、見習い隊員です。 空閑とのコンビでかろうじて、B級としてネイバーとの戦闘に出ることが許されます。 ワールドトリガーの世界では、トリガーには、実弾ではなく、トリオンという まぁ、マジックポイントのようなものを消費して戦います。このトリオンの量も 隊員の強さに影響しますが、このトリオンの量も少なく、戦闘スキルもさっぱりであり、 なんで、このキャラが主人公なのか良くわかりません。。一応、この主人公は、正義感が とても強く、頭脳系で、仲間からの信頼が厚いという面はあるのですが、それにしても、 いずれどこかで覚醒をしない限り、今後主人公を続けていくには荷が重すぎる印象です。
この漫画の面白味は、この他の漫画では役に立ちそうもない主人公と思われる少年も、 ある程度役に立つ事のできる戦闘システムにあります。ボーダーの武器であるトリガーは、 近接武器と中距離、遠距離と特性が分かれており、近接武器使いはアタッカー、 中距離武器使いは、ガンナー、そして遠距離のスナイパーに分けられています。 そして、戦闘は3-4人の隊で行うので、それぞれの役割が重要となり、ひ弱な主人公も、 隠れながら罠をはり続けたりと、一応は役に立つのです。
また、ブラックトリガー以外では、一人での鬼無双はあまりできないので、連携プレーや、 作戦が重要となっており、個人の能力よりも戦略に重点がおかれているのも面白い所です。
もう一つの、戦闘の面白いシステムが、基本的に戦闘はトリオン体という、 トリオンで構成された体で闘い、戦闘中は戦っている人の本体は別の場所に避難しています。 このシステムのお陰で、戦闘中に狙撃が腕に当たれば腕が吹っ飛ぶし、足を切られればあっさりと、 足が切れてしまいます。他の漫画では、撃たれても切られても、滅多に腕や足を失ったりしないので、 ダメージがどこに入っても一律HP低下な感じですが、この漫画ではきちんと足が無くなれば機動力低下、 腕が無くなれば、武器が片方使えなくなりますので、スナイパーでヘッドショット出来なくても、 きちんと役に立ちますので、このシステム自体を漫画に取り入れることによって、 戦隊で、役割分担して戦略重視で戦うという、漫画を書くことができるようになっており、 単純ですが、とても考えられた設定だと思います。
この記事を書いている段階で、21巻まで発売されていますが、読んでいる感じでは、 話はまだまだ続いていくと思います。目標は近界に乗り込んで行方不明になった仲間を、 救出しに行く事であり、この練りに練られた戦闘システムや、恐らく起こるであろう、 ひ弱な主人公の覚醒など、まだまだ面白くなっていく漫画だと思います。是非読んでみてください。